盛岡へふたたび・・・材木町、盛岡城跡公園そして中津川
盛岡は1年前に訪れた。今回は仕事での訪問ではあるが、盛岡市内を散策する時間もとっておいた。(前回の旅行記→盛岡そして宮沢賢治)前回訪れた材木町のメインストリート「いーはとーぶアベニュー」の「光原社」がいたく気に入って、今回もかならず訪れようと決めていた。さほど広くはないが、賢治の世界が凝縮され、すこぶる居心地の良い世界が構築されている。ここに掲載した画像は、その時撮らなかったもの、そして角度を変えて撮影したものだ。光源社に行く前に、北上川の河川敷の遊歩道に今回も再度足を運び、川面に向かう石段にしばらく腰をおろした。 |
拡大 懐かしさを感じる中庭 |
拡大 喫茶室。ここでコーヒーを飲んだ。 |
拡大 宮沢賢治資料館。 |
拡大 異国情緒ある中庭の壁。 |
材木町から歩いて盛岡駅に向かい、駅にて観光案内パンフをもらった。そして駅ビルで、土産物など物色した。今は買い求めず、帰りに買うつもり。どうしたわけか、私、カラフルなメガネを買ってしまった。東京から盛岡へ来て、メガネを買うのも、一寸変な話だ。可愛らしい店員さんに、似合うと言われたのが決め手だった。 盛岡市内散策は盛岡城跡公園に決めた。決めた理由は、歩いて行ける距離だからだ。(盛岡市の中心部にある)駅から盛岡城までの道のりは、とてものびやかな空間だ。東京のような密集して屹立する建物や人の往来の圧迫がない。おおらかな空気に満ちている。今はもうお昼になっていたが、朝食をいっぱい食べたので、空腹感がない。また帰りの新幹線で、駅弁とビールと日本酒が待っているので、それまで我慢するつもり。 こんもりとした森に近づくとそこは盛岡城だ。東北の三名城に数えられ、国の史跡に指定されている。入り口からまず目につくのは美しい石垣だ。白い明るい輝きがある。形がある程度そろった大きな石が積まれ、その隙間に小さい石が埋め込まれている。リズムがあるのかないのか不思議な文様を成している。 盛岡城は盛岡藩、南部氏の居城で、三代にわたって築城された。城が完成したのは1633年(寛永10年)である。この城を調べていて、不思議に思ったことがある。それはこの城に天守閣があったのか?ということである。幕府への遠慮からか、天守閣は建てなかった。しかし御三階櫓(ごさんかいやぐら)を建て、代用としたという。そして藩主が変わり、天守と呼び直されたとの記録・記載がある。この話からも、天守閣はどうだったのかという疑問が生じる。よく分からない。尚、明治になって建築物は取り壊された。 |
拡大 石垣は白い花崗岩。 |
拡大 |
拡大 宮沢賢治や石川啄木も ながめたであろう。 |
南部利祥伯爵の銅像の台座のみ。 本来は馬に乗った伯爵の像が上にあった。 |
拡大 本丸より盛岡市内を望む。 |
拡大 本丸と二の丸をつなぐ 朱塗りの橋。下は空堀。 |
拡大 多目的広場。昔の地図では 「台所」となっている。 |
拡大 水濠。夏は蛍が飛ぶらしい。 |
拡大 城跡に流れるせせらぎ。 |
拡大 中津川の岸辺より盛岡城跡公園を望む。 |
盛岡城の西側は、北上川が流れる。そして東側は「中津川」である。中津川は、北上山地を源とし、総延長22.8Kmの川である。中津川は盛岡市街の中心を流れる。夏はアユ、そして秋は鮭が遡上する大変清らかな、透明度の高い川である。ビルやマンションが立ち並ぶ町の中を、美しい岸辺をともなった、清流が流れる風景は、市民の誇りだろう。街と自然が仲良く調和した、まったくうらやましい環境だ。この川は盛岡市街の駅近くで、北上川と合流する。 中津川に沿った道を、盛岡城沿いに上流に向かって歩く。遊歩道も、岸辺もすばらしくきれいに整備されている。進んで行くうちに、正面に橋が見えてくる。(中の橋)その橋の右手方向に、赤レンガに白いラインの入った古風で趣のある建築物が見えてくる。近づいていくと堂々たる洋風建築に釘付けになる。もちろんすぐそばまで近づいた。銀行である。それも営業している。ここは岩手銀行中ノ橋支店(1911年に完成 旧盛岡銀行)だ。現在、国の重要文化財に指定されている。店舗は移転の予定。その後記念館として一般公開される予定。 |
拡大 盛岡市街を流れる中津川。 |
拡大 町の中を流れる。 |
拡大 この透明度。 |
拡大 中の橋より。きれいに整備された岸辺。 左手は盛岡市役所。 |
拡大 岩手銀行中ノ橋支店(旧盛岡銀行) |
拡大 白い帯は花崗岩。 |
追記:予定を終え、東京に帰る。 今回、仕事の都合で、私と同行した人物が一人いた。彼とともに、駅弁、ビール、酒、ツマミを買い求め、盛岡から新幹線に乗り、宴会を始めた。新幹線は実に酒をうまくさせる環境だ。時間が経つうちに、気が大きくなったか、彼は仙台で、わずかな停車時間を当てにして、ホームに降りた。笹かまぼこを買うためだ。彼は確かに笹かまぼこを買うことに成功した。しかし新幹線に乗ることには、失敗した。彼は笹かまぼこを買うために人生を賭けたのだ。私は一人で宴会を楽しむことになった。 |