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水郷・柳川 その2


 北原白秋は柳川をこよなく愛した詩人だ。柳川が詩人白秋を育み、また創作の源となった。そして白秋をして、柳川は全国区の観光地となった。
 この道、ペチカ、からたちの花、城ヶ島の雨・・・・北原白秋の歌(作詞)には誰もが知っている名曲が数多くある。親しみ深い詩人である。言葉が美しく、優美なリズム感があって、そこに楽想が付かなくても、音楽が聞こえる。情緒豊かで、色彩に溢れているのも、また音楽と深く結びつくように感じる。私は白秋の詩集、「思ひ出」の中の「糸車」が好きで、学生の頃、暗唱してしまい、今でも口ずさんでいる。最初のページでも述べたが、下記に多田武彦作曲の柳河風俗詩の元になった白秋の「柳河」を掲載した。合唱などと聞くと、クラシックの嫌いな方にとっては、さも堅ぐるしい、演奏者の独りよがりと思う人もおいでかもしれないが、男性合唱が奏でる柳河を聴けば、だれでもそのノスタルジックな世界にひたれると確信している。別格の合唱曲だ。 

柳河 北原白秋 抒情小曲集 思ひ出より

もうし、もうし、柳河じや、
柳河じや。
(かね)の鳥居を見やしやんせ。
欄干橋(らんかんばし)を見やしやんせ。
(馭者(ぎょしや)は喇叭(ラッパ)の音(ね)をやめて、
赤い夕日に手をかざす。)

(あざみ)の生えた
その家は、・・・・・・・・・・・
その家は、
(ふる)いむかしの遊女屋(ノスカイヤ)
人も住はぬ遊女屋(ノスカイヤ)

裏のBANKO(バンコ)にゐる人は、・・・・・・・・・・・・・・
あれは隣の継娘(ままむすめ)
継娘。
水に映ったそのかげは、・・・・・・・・・・・・・
そのかげは
母の形見の小手鞠(こてまり)
小手鞠を、
赤い毛糸でくくるのじや、
涙片手にくくるのじや。

もうし、もうし、旅のひと、
旅のひと。
あれ、あの三味(しやみ)をきかしやんせ。
(にほ)の浮くのを見やしやんせ。
(馭者は喇叭の音をたてて、
あかい夕日の街に入る。)

夕焼、小焼、
明日(あした)天気になあれ。



















※ノスカイ・・・遊女の柳川方言。
※BANKO・・・縁台。ポルトガル語。
※鳰・・・かいつぶり。

中央公論社 発行
日本の詩歌 9 北原白秋より




柳川城跡地に建つ
柳川高校
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田中吉政公の像。
ザボンの木
あちらこちらに植えられている。
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拡大 白秋 待ちぼうけの碑
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壇一雄文学碑 堀割の藻を取っている。
余談だが堀の水は1年に一度
ぬくそうだ。その時たくさんの
魚が捕れる。

自宅にカヌー。
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焼杉の壁も堀割に
よく似合う。

船場。 うなぎ屋さん?
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洋館もよく似合う。
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人見知りしない鴨達。
岸辺に立つ巨木。
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一番奥には出会橋
が見える。深い緑。
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お殿様の船着き場。
一本の松がそれを象徴している。
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終点 水天宮。しっりして
情緒溢れる街だ。
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水郷とマッチした家々。
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水天宮はとてもしっとりした街だ。
堀割と家々と柳が見事に調和して、その中でいつまでも、たたずみたくなる。時間の止まったような街だ。
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ここで船頭さんと
お別れ。


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