立佞武多(たちねぷた)・五所川原 | 八甲田山・ロープウェー | 青函連絡船・八甲田丸

立佞武多(たちねぷた)・五所川原 

 東京から盛岡へ行くときは新幹線「やまびこ」を利用する。時間はおよそ3時間半。ところが今回、利用した「はやぶさ」は、新幹線の終点駅新青森駅まで3時間ちょっと。停まる駅が少ないのが一番の原因だが、はやぶさはさすが早い。車窓がめまぐるしく変わる。東京から仙台、盛岡までは天気がよかったが、青森に近づくにつれ、雲行きが怪しい。ねずみ色の雲が低くたれ込め、今にも雨が降りそう。新青森駅に着いたら、雲がもう耐えきれないとばかりに、雨を落とし始めた。駅から急ぎ足で、バスに乗り移った。行き先は弘前。今日の宿のホテルがある地である。ホテルまでは約1時間。到着すると、急いでチェックインして、荷物を置き、今日の目的地五所川原へ向かった。目的は「ねぷた」である。弘前でも「弘前ねぷたまつり」が行われているが、今回は五所川原の「立佞武多(たちねぷた)」を訪れることになっている。五所川原までは車で小一時間ほど。通りの両側には、多くのリンゴ倉庫、リンゴの加工所があり、それらを合算した総面積はすごい広さである。街から離れると、今度はリンゴ畑が続く。行けども行けどもりんご畑である。(リンゴの全国生産量の半分は青森と聞く。)
東北新幹線の終点 新青森駅 リンゴ畑

    実は今大きな問題に遭遇している。台風の影響で、前線が青森と北海道の間あたりに発生し、雨や突風をもたらしている。その為五所川原の立佞武多の本日開催については協議中とのことであった。つまりそこに向かっているということは、恐怖の見込発車ということである。・・・結果としてどうであったかというと、祭りは決行となった。立佞武多を拝観することができたのである。そして本当に奇跡的に祭り中は、雨がやんだのだ。(祭り終了後は大雨。また翌日は五所川原に大雨警報がでたように記憶している。)

拡大
曳き手 拡大
台座に置かれた強大な太鼓
拡大 拡大
拡大
拡大
出発時に雨だったのだろう。
透明なシートが欠けられている。
拡大
小型のねぶたも楽しい。
拡大 拡大
回転させている。かなり迫力がある。

ねぷたは、大小さまざまであるが、五所川原のねぷたには驚くような巨大なものが登場する。高さ23メートル(7階建てのビルに相当)、重量19tである。
 
「青森県 五所川原市 立佞武多 2014公式ガイド」より抜粋

巨大ねぷたが五所川原の記録に登場するのは、明治40年頃。「立佞武多」 という名称は、平成8年、復元に携わった市の有志たちによって命名されたものだ。・・・・・

 古老によると、五所川原ネプタは大正時代末頃までは、高さ20メートルもあったという。しかし、戦後の2度にわたる大火により、資料が焼失するなど、詳しい大きさ、年代は定かでない。・・・・・

 電気が普及することによって市内に張り巡らされた電線によりネプタは小型化せざるを得なくなった。・・・・・

 平成5年、明治・大正のものとみられる高さ9.8メートルもある台座(あくまでも台座のみの高さである)の設計図を市民が保管していることがわかり、注目を集めた。・・・・・

 80年ぶりに苦悩の復元が始動した。・・・・・

 約1世紀隔てた平成8年、1回限りの復活。有志達の誰もがそう考え、かつ貴重な思い出の1ページにと思っていた。2年後の平成10年、市が立佞武多の支援を決め、立佞武多の運行が決定された。・・・・・

 立佞武多が街を練り歩く準備が始まった。道を横切る電線等を埋設するインフラなどの整備が急ピッチに行われた。・・・・・

 平成10年8月5日、高さ22メートル、総重量16トンの立佞武多が、30人の若者に曳かれ、闇にその威容を浮かび上がらせた。・・・・・


 極彩色に彩られた大小様々なねぷた。それを動かすたくさんの「曳き手」。祭りを、盛り上げる「踊り手」、「囃子方(はやしかた)」、「跳人(ハネト)」。終始心地よいリズムと興奮に包まれ、圧倒的スケールで祭りは執り行われていく。そして巨大なたちねぷたが登場するや、熱気は最高潮に。私は高揚した気持ちを抑えることなく、大きく何度も手を振った。だれに対してでもなく。壮大なネプタと祭り人の行進は、ネプタを復活させた有志らの気概をも、ともに運んでいく。私が手を振ったのは、もしかしてこの復活を推し進めた有志たちに対してだったのかもしれない。

拡大
巨大な立佞武多の登場である。
拡大
2014年の新作「国性爺合戦 和籐内」
(こくせんやかっせん わとうない)
最近は1年に1台新作が製作される。
拡大 拡大
拡大
拡大 拡大
拡大
立佞武多の登場
拡大
2012年「鹿嶋大明神と地震鯰」
(かしまだいみょうじんとじしんなまず)
大型立佞武多は3台運行されるようになった。
拡大
拡大
拡大 拡大
拡大
立佞武多の登場
拡大
2013年
「陰陽 梵珠北斗星
(おんみょう ぼんじゅほくとせい)
拡大 拡大
拡大
操縦されている方が
手を振り返してくれた。
拡大
立佞武多の館

この中に巨大な「立佞武多」が保管されている。また祭りでない期間でも立佞武多を見学することができる。製作見学、製作体験もできる。レストランなどもあり立佞武多の観光拠点となっている。

左画像につきましては、公式ガイドの画像をお借りしました。


立佞武多(たちねぷた)・五所川原 | 八甲田山・ロープウェー | 青函連絡船・八甲田丸



▲こだわりやさん生活倶楽部へ ▲TOPページ