e-glass 新聞掲載記事


2006年(平成18年)1月31日(火曜日) 日経産業新聞より
使用済み蛍光ランプ
ガラス器に生まれ変わり
水銀を無害化
松徳硝子とサワヤ
 使用済み蛍光ランプがガラス器に----。ガラス製品製造の松徳硝子(東京・墨田、村松邦男社長)はリサイクル事業を手掛けるサワヤ(金沢市、尾崎東志朗社長)と組み、水銀除去後の蛍光ランプを原料にした食器や花瓶の生産・販売に乗り出す。価格は従来のガラス器と同程度に設定。持続可能な環境や社会を重視した生活スタイル「LOHAS(ロハス)」を実践する顧客層を開拓する。
 サワヤが北陸や東海地域で使用済み蛍光ランプを回収。工場で粉砕したうえで加熱処理を施し、水銀を無害化して松徳硝子に出荷する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


2006年(平成18年)4月18日(火曜日) 日本経済新聞より
廃蛍光灯でガラス食器
松徳硝子、金沢の企業と
伝統工芸の手法、職人が手づくり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
廃蛍光灯を再生したガラス食器の販売に乗り出す。ガラス作家がデザインし、伝統工芸である「江戸硝子(ガラス)」の手法で職人が手作りする。墨田区など行政も開発を後押しした。環境に優しい点を訴えて販路を開拓する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
熱したガラスを鉄製のさおで巻き取り、熟練した職人が吹いて膨らませる伝統的な製法で食器に仕上げる。デザインはガラス作家毛利夏絵氏が担当した。
 透明度を上げたり、製造時の気泡を取り除いたりする薬剤は使わず、緑色がかった昔ながらのガラスの味わいを残した。
 サワヤは電気工事業の傍ら廃蛍光灯を加熱処理して水銀を無害化する技術を確立。再生ガラスの販売先を探していた。松徳硝子は1922(大正11)年に電球メーカーとして創業。現在は高級ワイングラスなどを手作りしている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 東京都と墨田、台東、荒川、葛飾の四区は2005年度から、ガラス製造など伝統工芸の技法を生かした製品開発を支援する「TASKプロジェクト」を実施。・・・・・・・・・・・・・・・
 都は今回の成果を生かし、06年度には都内全域で伝統工芸の製品化を手助けする。TASKプロジェクトはテーマを伝統工芸から「日常生活への提案」に替えて引き続き地場産業を支援する計画。


2006年(平成18年)4月18日(火曜日) 朝日新聞(夕刊)より
再生ガラスにかける
売った蛍光管に責任を持つ
ドラッグストアの店内を照らす蛍光管は1店あたり約500本。交換すればゴミになる厄介ものも2店分を集めれば、大きなガラステーブルができる。「使えるものは使う。それだけ」と創業30年の電気工事会社サワヤ(金沢市)の社長、尾崎東志朗さん(54)。4年前から、蛍光管のガラスのリサイクル事業に取り組んでいる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
手間とコストが壁になっていた。
リサイクル事業部課長の久保康博さん(45)は、「がけっぷちを歩きながら、自分を奮い立たせる」という社長の言葉を覚えている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「子どもの結婚式より事業費を優先したし、自家用車は20年選手。でも走り出したらとまれなかった」と尾崎さん。昔から現場でゴミをだすのが大嫌いだった。
「売った蛍光管に最後まで責任を持とうと覚悟しました」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
プロふぇっしょなるず
独言伝言 安全確認して食器にも
再生ガラスへの反応は、おもしろいほど二分する。「透明じゃないなんて」と冷ややかなメーカーが多いなか、松徳硝子(東京都)の松村邦男さん(54)は今春、グラスやボウルのシリーズとして商品化した。「温かみのある風合いは、狙っても作れない魅力。成分の組成も均質なので強度に問題もありません」。加工の前後に水銀の残留を検査し、安全性も確認している。滴をイメージした肉厚のデザインが、手になじむと好評だ。
 大正期、電球づくりから出発したので蛍光管に「縁」を感じる。「環境への貢献なんて語る柄ではないが、私も社員も気持ちよく作って売れる商品。他にも名乗りを上げる作り手が増えてほしい」



▲戻る