ワサビの選び方・すりおろし方・保存法

川端晶子著 「調理のサイエンス」 柴田書店 より
日本人に親しまれているワサビ。刺身、蕎麦などには欠かせません。そして時には本ワサビ「沢わさび」で食してみたいもの。でもその扱い方はあまり理解されておりません。そこで今回はその扱い方をご紹介します。

■良質のワサビは
ワサビの根茎は、根本から先端まで同じような太さで、緑色が鮮やかで、先端部はやや薄い緑色のものが良質とされています。ワサビは葉柄を落としながら成長していく習性があるので、この脱落の痕跡の間隔が広いものは、成長が早かった証左で、肉質が柔らかく、辛味や香りは乏しい傾向にあります。この痕跡の狭い、すなわち、目づまりしている根茎の肉質は緻密であり、辛味や香りがすぐれています。

■すりおろし方
より望ましいおろし方は、根茎についている茎や葉を外側から1本ずつ取り除き、最も新鮮で風味のよい根元の部分(成分濃度が高いと言われている)を切り落とすことなく、小さなブラシなどで根元の泥を落とし、水洗い後、細かいおろし金でゆっくと、軽く輪を書くようにおろします。目の細かいおろし金ほど、細胞を壊して酸素を活性化し、特有の辛味を生じさせます。さらに、おろした後、包丁の背で軽くたたくと辛味と香りが増します。
ワサビのおろしに用いるおろし金は、サメ皮の細かくザラザラしたものがよいとされています。

■ワサビの保存法
(冷蔵庫の方法)
●根茎を水でぬらした新聞紙で包んで、さらにラップで覆い冷蔵庫に入れます。

●水を七分目ぐらい入れたコップにワサビの根茎を入れ、水を毎日取り換えながら保存すると、1ヶ月から1ヶ月半は利用可能です。

(冷凍庫の方法)

●根茎をラップして冷凍庫で保存します。
使用する時には、冷凍のままですりおろして室温で解凍すると、ワサビの辛味と風味が再現されます。
残ったワサビの根茎は再び冷凍庫で保存すれば、半年から1年は利用が可能です。
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