ノンスティックフライパンのお手入れ

岡山晄生 著 グラフ社 「料理のきほん 食の常識」より
<質問>
焦げつかない」とか「焦げつきにくい」と書いてあるフライパンをよく買います。でも数ヶ月もすると焦げつくのです。「焦げつかない」って書いてるのにです。私は料理好きで毎日自分で料理している主婦だから、調理を間違えるはずもないし、私の使い方には問題はないと思うので、そうなるとフライパンがおかしいのかな?コーティング・フライパンが焦げつく原因、わかりますか?


<お答え>
1.調理温度が高い。上限の180℃を守る限り、フッ素コーティングのフライパンも、セラミックコーティングのフライパンも、調理温度が原因で焦げつくことなどあり得ません。

2.フライパンの表面に調理の汚れが付着したまま使っていると、汚れが付着している部分が必ず焦げつきます。
調理が終わったら、フライパンが温かいうちに、完全に汚れを取り、水分も全く残らないようにふき取ってから片づけます。

3.水道水を鍋に入れて火にかけ、完全に水分を蒸発させたあとには、蒸発残留物と呼ばれるものが鍋の底に残ります。カルシウム、マグネシウム、シリカ、ナトリウム、カリウムなど物質が、鍋底に張りつい残るのです。
きれいに洗ったフライパンを濡れたままにしていませんか?そのようにしておくと、コーティングの表面に取り除きにくい「蒸発残留物」が付着します。そして、この部分に食材とか調味料とか油などが焦げつくのです。

調理が終わったら、フライパンが温かいうちに調理の汚れを落とし、中性洗剤を含ませた柔らかいスポンジでていねいに、完全に汚れを落とし、水で完全に洗い流し、最後に水分を完全にふき取りましょう。これを毎回きちんと行うのです。


<万が一焦げつかせてしまった場合、しつこい汚れが付着した場合・・・>

普通の焦げつきは、鍋でもフライパンでも、水をたっぷりと張り、火にかけます。やがて湯が沸き、沸騰しますが、そこで火を止め、冷えるまでそのままにしておきます。冷えてからスポンジでふき取れば、普通の場合は汚れ、焦げつきは取れます。

これで取れない場合は、水を張り、重曹を大さじ3杯ほど入れて、火にかけて沸かします。これも沸騰させた後、冷えるまでそのままにしておき、冷えたらスポンジでふき取ります。

これでも取れない場合、真っ白な「メラミンスポンジ」を水で濡らして、やさしくていねいにコーティングの表面を汚れを取るようにふき続けます。まずはこれで汚れ、焦げつきなどは完全に取り除くことができます。



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