神田川桜並木

 東京メトロ有楽町に乗り、池袋駅から終点新木場へ向かって池袋駅から3つめの駅である「江戸川橋」で降りる。私の自宅から歩きを含めて30分とかからない。目的地に最も近い地下鉄の出口からはすぐにとば口である江戸川公園が、目の前に見える。残念ながら天気が悪く神田川に隣接した公園の桜は、満開にもかかわらずその薄紅色の輝きに生彩さを欠き、どんよりとした灰色の空との境界線を曖昧にしている。公園に入っても、朝からの小雨のせいか、今ひとつ活気にかけている。あと小一時間で昼であるが、桜の下での宴会は疎らだ。まあこれからなのだろう。雨といっても、傘はささない。霧雨である。
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江戸川橋より江戸川公園を撮影。
江戸川公園
提灯の連なりが楽しい。



 神田川に沿って両岸にきれいに整備された遊歩道が延びている。江戸川公園をすぎると右手に深い森を従えた椿山荘のホテルが見える。またすぐに趣のある日本建築が目に入る。椿山荘の料亭だろうか。椿山荘に沿った歩道は、雅な空間を生み出している。その先にも深い緑が続き、芭蕉庵、そして新江戸川公園と続く。

 ※新江戸川公園・・・『江戸時代、武家地であった。幕末には細川越中守の下屋敷、抱え屋敷であったが、明治15年(1882年)からは細川家の本邸となった・・・・明治50年4月、文京区に移管され、文京区立新江戸川公園となった』 新江戸川公園案内板より
長い遊歩道。そして桜並木。 拡大
右手に椿山荘。風情ある通り。
芭蕉庵?深い緑がひろがる。 拡大
新江戸川公園。中池。
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新江戸川公園。大池。
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新江戸川公園は池泉回遊式庭園
と呼ばれている。



 細長い江戸川公園に沿って流れる神田川の対岸には桜はなく公園の片岸のみなので桜の密度はあまり高くない。しかし公園をすぎたあたりからか、対岸にも同等の桜が姿を見せ、川面、頭上に向かっての花びらの密集度はすこぶる高くなる。一面が花景色となる。幻想的である。
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対岸の桜と重なり一面花景色。
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川のせせらぎが聞こえる。
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水面に向かって枝が伸びている。
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我ながらきれいに撮れた。
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水は都心の川と思えないほどきれい。
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すごい花の密度。
 神田川に沿った桜並木の遊歩道は、東京メトロの江戸川橋駅から始まり、JR高田馬場駅付近、都電荒川線と明治通りに交わるあたりで終わりとなる。見応えのある長い桜並木である。
 まるで自らを映し出したいように水面に枝を伸ばす桜。それが両岸から高さをともなって、水面に迫る。まだほとんど新緑の侵入を受けていない桜の木々は、高い花びらの濃密さを保ちながら、長い列をなし、遊歩道が交差する明治通りまで続く。しかしそこから先には、もう桜はほとんどない。桜の途絶えた川沿いの道を歩いて高田馬場まで向かう。・・・・・もう少し満開の桜と戯れていようか?・・・・・いや、やめよう。そう、満開の桜は一時の夢。帰って、酒でも飲むことにしよう。



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