まな板・・・まな板の材質は何がよい?

岡山晄生 著 グラフ社 「料理のきほん 食の常識」より

まな板には、気をつけていただきたい三つのポイントがあります。
一つは、汚れがつかないように、また匂いが残らないようにするということです。たとえば、昨日魚を切るのに使ったまな板が、今日になっても魚の匂いがする。これではこの上で芋を切るなんて、匂いが移ってしまうし、第一臭くていやですね。これを避けるために、まな板を使う前には、まな板の表面に充分に水分を含ませるのです。もちろん余分な水分はふき取ってから使います。まな板の表面に水分を充分含ませようとすると、まな板の素材が決まってきます。そう、やっぱり木製ということになります。プラスチックでは無理です。 ・・・・・・・

二つめは、包丁の刃にとってやさしいまな板かどうかということです。きちんと研いだ包丁の刃、欠けてしまったりしてはいけませんし、刃をつぶすような固いまな板ではいけません。プラスチックのまな板で包丁をひねると、刃が欠けます。これはよくあることです。木製のまな板は包丁にやさしいので、こういった心配もありませんね。

三つめ。これが結構重要なのですが、清潔さです。まな板の表面は、包丁の鋭い刃によって傷がたくさんできます。ここが適度に湿っていると、そこが細菌の発生箇所になったり、細菌の繁殖箇所になることがあります。まな板は、使った後きれいに洗って、日のあたらない通気性のよいところに立てかけておくのですが、これで充分に乾燥すると同時に、まな板に使われる木はもともと抗菌能力に優れています。つまり安全度が高いということです。もちろん、プラスチックの場合でも、表面を抗菌処理しているものが多いようですが、わざわざ抗菌処理した素材は、悪い菌だけでなく、人間に必要な菌まで退治してしまうのです。これではいけませんね。木、つまり自然の素材のほうが、このあたりのことについては自然の一部である人間にとっても無理がなく合理的であると考えてよいのではないでしょうか。



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