昭和30年代のカレーを作る


 昭和30年代。私の子供の頃、母が作ってくれたカレーを再現してみました。(いくらかアレンジを加えています。)現在、美味しい固形のカレールーが、たくさんあります。もう味は申し分ありません。あの当時のカレーには、とても勝ち目がありません。でも、あの当時のさっぱりめのカレーが懐かしく、食べてみたくなるのです。
ちなみに、使用したカレー粉は、S&B 特製 ヱスビーカレー。あの赤い缶です。缶には作り方の記載がありますので、参考にして下さい。
 ステンレス カレー皿

市販のカレールー(一般的にあの板チョコみたいなやつ)は大変美味しい。どんどんおいしくなり続けている。フォンドボーの入ったフランス風、くだもの入り。カレーはどんどん進化し続けている。でも時々思う。味がありすぎる。辛口を選んでも、そのなかのうま味としての「甘味」が強すぎる。きっと昔私たちが食べていたカレーとは、比べものにならないくらい美味しくなったのだと思う。でも昔のさっぱりめの黄色いカレーが食べたくなる。
ところで、もし、あの当時のカレーに優れた面があるとしたら(現在から見た場合)、それはカロリーだ。カロリーはたぶんかなり低いはず。

昭和のカレーを作る 玉ねぎをみじん切りにして、よく炒め、甘みをだす方法は今回行っていない。たぶん私の子供の頃は、そのようなことは行われていなかったと思う。カレーの甘みは、もっと簡単で、単純な方法で行う。

まずは豚肉を炒める。
(ちなみにこの鍋はステンレス多層鋼のジオ。当時はアルマイトのアルミ鍋だった。)
昭和のカレーを作る にんじん、玉ねぎ、ジャガイモを加え、炒める。どれも、少し大きめに切っている。
先に、ニンニクやショウガ炒めて加えておくのもよい。私の祖母は、そうしていた。
昭和のカレーを作る スープを加える。実際、今回は簡単に、固形のチキンスープを加えた。もちろん昭和30年代は、どの家庭も、スープなどは加えていないはずだが。
昭和のカレーを作る 固形のカレールーは使わない。まずは、植物油を入れて、小麦を炒める。(量については、メーカのカレー粉缶に記載の作り方を参考にしてほしい)水で行うと、ダマになる。
ラードで行う方法もある。
昭和のカレーを作る カレー粉を加えさらに炒める。とってもカレーの香ばしいにおいがして、食欲をそそる。弱火で焦げ付かないよう、特に注意。
(フライパンは鉄を使用。当時も鉄だった。)
昭和のカレーを作る 炒め終わると、煮汁を加え良く溶かす。ダマにならないように、丹念にかき回し、のばしていく。
昭和のカレーを作る ねっとりとした、こんな状態になる。
昭和のカレーを作る 鍋に移す。うまくいくか心配の一瞬。
昭和のカレーを作る とろみが足りない場合は、さらに手作りルーを加える。
少し煮込む。塩、胡椒で味付けをする。
昭和のカレーを作る これは、みりん。
みりんを入れ、甘みを加える。意外かもしれないが、まったくおかしくない。甘みを加える実に簡単な方法だ。
塩気だけで、甘みのないカレーは実においしくない。

余談だが、市販のそばつゆを入れると和風カレーになる。
だしも効いておいしい。
昭和のカレーを作る これは蜂蜜。蜂蜜入りの某メーカーのカレーはとっても人気がある。蜂蜜を使うことには、まったく違和感がないと思う。ケチャップなども良い。
昭和のカレーを作る 醤油を入れている。これは実に良い。コクをだしてくれる。
ウスターソースも少し入れた。ウスターソースは、コクの足りない、昭和30年代のカレーに、甘みや濃厚さを加えてくれた。
ただウスターソースは、出来上がりのカレーにかけて、自分で調整してかけるのがいい。当時のカレーとウスターソースが良くあうのが実感されると思う。

味は、かなりの線をいっています。子供達の評判も上々でした。


▼カレーライスのできあがり&ステンレス カレー皿のページ