箱根の山は天下の険 HAKONE

箱根は、東京住まいのものならすこぶる手軽にいけて、自然の醍醐味が味わえる国際観光地だ。前から箱根登山鉄道に乗ってみたく、今回やっと実現した。

小田急ロマンスカーに乗って約1時間半。箱根湯本に到着。とりあえず地元の「箱根おもちゃ博物館」へ向かう。ここはあのなんでも鑑定団に登場する北原 照久氏のコレクションが収められているおもちゃ博物館だ。ここへ向かったのは小学2年の娘の意向だが、ここは間違いなく大人の世界だ。思いっきり郷愁に浸れる。娘はすぐにおもちゃの展示から、レトロなおみやげ売り場へと心を奪われた。それは確かに私でもその気持ちはわかる。復刻版のおもちゃ、文具。懐かしい駄菓子。時代を風靡したインスタント食品。かなり良心的な価格で販売されている。娘ののみならず私も買い求めた。それはこんな商品だ↓。懐かしく思われる方も多いかと思う。

ブリキのおもちゃ
「ポンポン丸」ポン ポン と音をたてて走る船だ。
実際火を焚いて蒸気で走るかわいい船だ。箱も船も昔のままだと思う。
管にストローで水を入れ、附属のろうそくで管につながる伝熱部をあぶる。
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ポンポン丸 
しばらくここで楽しんだ後、園内のハーブレストランで食事をして箱根登山鉄道の乗車駅である箱根湯本駅へ戻る。そこからたった3駅目の宮ノ下へ向かうだけなのだが、その間にスイッチバックが2ヶ所ある。箱根登山鉄道は1000分の80の勾配、1m走る間に、80mmの高さを登る勾配だ。車内のアナウンスでの説明では、鉄道での日本一、世界では第2位の勾配と教えてくれた。そしてスイッチバック(特に勾配がきつい場合直線では登れないので、時には戻るようにジグザグに登る)が必要になる。そこでは運転士と車掌が入れ替わる。また箱根登山鉄道は、急カーブが多くそのため車体の長さは短かく、連結器に特徴があるようだ。急カーブにより当然車輪と線路の摩擦が大きくなり、摩耗が激しくなるので、水のタンクが据え付けてあり、水をまきながら走るとのアナウンスもあった。
 沿線には、あじさいが咲き乱れ、深い緑と相まって美しい景観をなしている。
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箱根登山鉄道 
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沿線至る所に咲き乱れる
あじさい
ホームからの景色
宮ノ下駅に到着した。この駅に降りた訳は、前から泊まりたかった「箱根 宮ノ下 富士屋ホテル」があるからだ。
宮ノ下駅 宮ノ下駅から延びる坂道。すぐに国道に出る。
その国道だが明治11年になんと道幅は1m。
やっと明治20年になって2mになった。
当時は箱根の峠を越えるのは大変だったのだろう
「箱根八里」の歌にはそんな当時の様子が
よく表現され歌われている。
箱根 宮ノ下富士屋ホテル明治11年創業。明治の面影を色濃く残す大変歴史ある由緒あるホテルだ。西洋建築と日本建築が調和した美しさが圧巻なのだが、その各様式が一見対立するように組み合わさっている。その印象が私たちに強烈に訴えかけてくる。ともかく2つの文化 2つの血が混じり合ったときに生まれる美しさであることは間違いない。ただレトロという印象ではない。建物によっては、神社仏閣の様式が色濃く反映されている。この様式を西洋建築と調和させる技量は、驚くべきことだ。
チャップリン、ジョンレノンなど数多くの著名人が訪れている。
ホテルはいくつもの棟があり、時代により建築様式、建築方法が違う。ホテルのマネージャーのお話を伺うも、後で整理してみたら分からなくなってしまった。(間違いがあったらごめんなさい)
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西洋館的外観
窓に鎧戸がある。
だが屋根はご覧の通り和風。 
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本館 最も古い 明治24年 外観は当時の様子をほとんど残している。
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奥は食堂棟。ダイニングルーム バーなどがある建物 昭和5年にできる
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花御殿 昭和11年にできる。
神社風建築 優雅なたたずまい
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本館裏
庭は日本庭園。大変広く1周するのに歩いて15分近くかかる。邸内の岡を登りるとまるで自然のままのような小川に出会す。全体的に回遊式庭園の感がある。庭だけでどこかの景勝地に来ているような気持ちになる。本格的な堂々とし水車小屋は見物だ。
庭園の中にはかなりの規模の温室がある。
たぶん部屋やホテル内至る所にある種類の違う草花はこの庭園の温室で育てられたものだろうか。
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水車小屋 
室内はもちろん増改築を繰り返しているのが、相当に当時の様子がふんだんに残っていると思う。特にメインダイニングルーム(食堂)は、現在での建築では考えられない荘厳なものだ。日光東照宮の影響を受けた格天井(天井部)は、日本の伝統美に満ちあふれ、西洋的モダンさと相まって幽玄な思いに浸らせてくれる。
 天井の高さ5.5m。日本アルプスの高山植物が一面に描かれている。また野鳥・蝶なども周囲に描かれ、さらに欄間には十二支や自然をモチーフにした彫刻などが施されている。
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一面に描かれた高山植物 
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周囲には彫刻
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鮮やかな色彩で蝶が描かれている
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柱の下には「お客様にいいサービスを」と
見張り番の彫刻 
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バー(ビクトリア) 大正ロマン漂う
箱根彫刻の森美術館に行く。ここも写真に撮ったがこれはここに掲載することはできない。ともかくでかい。屋内展示場だけでも5ヶ所。これが広い敷地内に点在しているから大変だ。野外の彫刻は、箱根の美しい自然とマッチして通常館内で見る作品とは趣をことにする。芸術は難しいなどと片意地をはって拒むことはない。自然と子供でも楽しめるようにいろいろな仕掛けを施してある。子供が楽しめる施設、作品もある。ただここを全て見ようとしたら相当の覚悟がいる。足がパンパンになる。でも絶対行って後悔しない博物館だ。自然にふれあうだけでもいい。
世界的巨匠の野外展示 ヘンリー・ムーア・コレクション ピカソ館 その他多数。


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