ウェブマスターゴールデンウィーク日記

■■■連休はホームページ更新の絶好の機会。この1年はお休みのほとんどを仕事に費やしていました。でもちょっと心がいたみ、5月3日~5日はキーボードには触れない。でも遠くへは行かず、近場で楽しもう。そう決めていたのです。


 去年の6月頃からは、夏休みも盆休みも通常の連休も全てホームページ製作に時間を費やしてきた。ひどいときは数日パジャマのままで過ごすという有様だった。今回はこれではいけないと思い3日間はどこかへ行こうということで、ともかく真面目に実行したのだった。

5月3日(金)
 連休はともかくどこも混む。混雑のためのイライラと、時間の浪費は耐えられない。そこで考えた。近場に行こう。それも地味なところへ。僕は豊島区に住んでいる。池袋には歩いてもいける。だからイメージ的には、こういう場合田舎へという図式になるが、あえて都内を目指した。目指す先は、小学校2年の娘が楽しめるところ、それは「ちんちん電車(路面電車)に載って行く荒川遊園地」だ。ちんちん電車は娘にとってはじめてのよう。この「荒川遊園地」は、ディズニーランドなどと比べればあまりにささやかな遊園地だが、一応ジェツトコースターなる乗り物もある。乗り物の数は少ないが、緑が豊富で子供たちが直に動物に触れられる動物園もあり、小学校低学年にとっては、相当に楽しめる。子供に聞いたところ、ディズニーランド(僕は行ったことがない)より楽しいとか。子供とはそんなものだ。お金と時間をかければいいということではない。ママと子供と3人で行ったのだが料金は、驚くべきことに交通費も含めて全員で3000円以下。ここは区立なのだ。混雑もさほどではなく、ちんちん電車の駅から遊園地までの通りは、観光地の風情も楽しめるし。帰りはその通りにあるローラースケート場(これも区立 恐ろしく安い)に入り楽しんだ。これらは安上がりにという思いで決定したわけではないが、あまりに安上がりに済んでしまい驚きだった。
 
 帰りは池袋のパイプオルガンのあるビヤホール「ミュンヘン」へ。私はこの為に皆につき合った感がある。ここに高校生の長男も呼んだ。ちょど結婚式の2次会と重なり、オルガンニストのおじいちゃん(名物おじいちゃん)の進行でホールは活気のあるミニイベントが繰り広げられた。僕の席にもアコーディオンを抱えたおじいちゃんが来てくれ娘の前で演奏してくれた。私はそれに合わせて歌った。(曲目は忘れた)そして帰りにおじいちゃんは、娘に風船を用意してくれて、見送ってくれた。子供にとってはどんなに嬉しいことか。私はこの店と出会いもう25年になる。


5月4日(土)
娘はおじいちゃん、おばあちゃんとデパートへ。家族はみなバラバラにデパートへ。私は仕事はしないということだが結局これからのサイトの資料を求めて大手本屋を渡り歩いた。悲しい性か?その後全員が集まり、夕方はちょっと本格的なイタリアンレストランへ。娘はデパートの屋上にて採った「金魚すくいの金魚」をもって現れた。この金魚が明日の行動を決定づけることになる。


5月5日(日)
 家には金魚を飼う道具がない。その道具を買い求めに行くだけでは脳がないので、前から行きたかった自転車で行ける地元の名所へ行ってみようということになった。コースのまず最初は、自転車でも行ける「雑司が谷霊園」。ここは将軍の御座所として御用屋敷や御鷹部屋(お鷹狩りのための居留地)があった所だそうだ。そこが現在は墓地になっているのだが、永井荷風・夏目漱石・小泉八雲、画家では竹久夢二・東郷青児など著名人が眠っている。私たちは、夏目漱石、日本初の女医で荻野吟子の墓を拝見した。池袋駅のすぐ近くにこんな歴史ある地域があったことに驚きだ。
 
 またここから数分の所に「雑司が谷宣教師館」がある。アメリカ人宣教師ジョン・ムーディ・マッケーレブが自宅兼拠点として明治40(1907)年に建てものだそうだ。19世紀末のアメリカの郊外住宅をほうふつさせる建築。豊島区に現存する最古の近代木造洋風建築。都内でも数少ない宣教師館として貴重なものだ。平成11年東京都有形文化財に指定された。庭も綺麗に整備され自由に見学させてくれる。ピアノや暖炉も保存され、当時の面影が大変色濃く残っている。木造住宅の懐かしいような香り、よく磨かれた床、手すりの心地よさ。どこか日本情緒がまぎれ込んだような洋館。現在の故意にモダンに作られた住宅とのあまりの落差に唖然とする。もし最高の贅沢があれば、このような住宅に住みたい。家族も同じ思いだった。
娘は揺り椅子にすわり、しばらく庭を眺めていた。なかなか帰りたがらなかった。
 
 ここからすぐ傍にサンシャイン60がそびえている。これならどんなことがあっても迷子にはならない。そのまま歩いてそこへ向かった。しかしあまりの混雑とまた日頃から見慣れているので、すぐそこを通り過ぎ東武デパートへ向かう。ここの屋上で金魚の道具を買い求めるのだが、北海道展をちょうど開催しているのでしばらくそこの工芸品をながめ、金魚の道具を買い求めた。
 
 ここで私は昼から大好きなお酒を呑む。なにをするにしても行動がまるで酒を美味しく飲む為の手段であるかのように自分でも思う。いや逆にいえば、お酒を美味しく呑もうとするための行動が、いろんなことを生き生き味あわせてくれるのだと屁理屈めいたことを考えてみた。まあしかし遠い観光地へ行く前に自分の足下を眺めてみることはいい。遠くへ行くという旅は、自分にとっての日常性からの回避という非現実化であり、それが旅のある目的かもしれないが、今日のような小さな旅の中にも、驚くような非現実性が潜んでいる。



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