切れる包丁で

ある日新聞の家庭欄で次の様なくだりが目に入った。東大 大沢教授の話だった。
『「料理をすることは家庭的なのではなく、自分の生活を粗末にしないこと」と考える。』
これを読んだときなんと短い文の中に人生の重要なエッセンスそしてシグナルが込められていると感心してしまった。(私はこのサイトの中で「もっと生活の過程を楽しめる道具を!」という文章を書いていたのだが、なにか大きく通ずるものがあるように思った。)
この記事は包丁の話で進んでいく。

2002年 9月17日 読売新聞 「ひとり流」より
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しかし、大沢さんは「料理をすることは家庭的なのではなく、自分の生活を粗末にしないこと」と考える。「忙しい」「一人分だから」を言い訳に遠ざけることで、男も女も生きていく上で持っている能力が失われるというのだ。
 まずは料理の楽しさを知ること。それには、よく切れる包丁を1本用意してみてほしい。切れない包丁でざくざく切ると、素材の繊維が壊れて味が変わり、おいしくなくなります。みそ汁に入れるダイコンも、短冊切りにしてから繊維に沿って千切りにすると、歯触りやうま味がまるで違ってきます。
 最も違いが出るのは刺身。いい包丁で繊維を壊さないように切るだけで、違う魚のような舌触りになります。
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