焼型法
■ 南部鉄器の製造法 資料提供 岩鋳 伝統工芸品「南部鉄器」の製造は、高度な技術と経験を必要とします。 中でも、鉄瓶の製造は68工程にも及び、一人前になるためには最低15年、鉄瓶に名前が付くようになるまでには40年を要します。 ここでは鉄瓶製造の主な八つの製造工程をご紹介します。 1・デザインと挽型板の制作 まず、どのような鉄瓶を作るかデザインを行います。次に原寸大の図面を引き厚さ1.5ミリ程の鉄板に写し取りそれを切り抜いて挽型板を作 ります。 2・鋳型の製作 鉄瓶の大きさにあった素焼の型に「牛」という道具を用いて鋳物土と粘土汁をまぜ挽型板を回して型を作ります。 3・文様捺し 挽き上げた胴型が乾燥しない間に文様を捺します。真鍮の棒の先を円錐形にとがらせた霰棒でひとつひとつ丹念に捺していきます。 4・鋳型の組立 中子は胴型と尻型との上下に分かれる外型に対して中に入る型です。横にした胴型に片手で持った中子を入れ、更に尻型をかぶせて鋳型を組みたてます。外型と中子とのすき間が鉄瓶の厚みとなります。 5・鋳込み キュポラ(鉄の溶解炉)で1,400℃~1,500℃に溶かされた鉄を「湯汲み」と呼ばれる柄杓で受け、鋳型に注ぎ込みます。 6・型出し、砂落とし 鋳込んだ鉄が固まり、鋳型から引き出されます。そして中子の砂を落とし、鋳バリを取ります。 7・着色 鉄瓶を約250℃に加熱し、その表面に「くご刷毛」を用いて漆を焼付けます。更に100℃~150℃位の温度で「おはぐろ」又は「茶汁」をむらのないように刷きつけます。その後、よく水気を切った布で何回も丁寧に拭き上げます。 8・完成 きれいに拭き上げた鉄瓶を丹念に調べ、ツルをつけて完成します。 |