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壱鋳堂・南部鉄器・・・「小鉄瓶 石庭」 「鉄瓶 胡桃」
鉄瓶 石庭 |
壱鋳堂の鉄瓶・・・石庭 一般的に鉄瓶は、角(カド)のない、円筒形、球形の形状が多くを占めます。それは、鋳型を作る場合、角があるとその制作が大変難しいためです。また鉄瓶は上下、または左右の型を合わせて制作しますが、角型は、円形に比べ結合がやはり難しくなります。この鉄瓶はそんな困難、制約を乗り越え制作されました。優れたデザインと高度な技術が融合した傑作、ハイレベルの鉄瓶の誕生です。 この鉄瓶の誕生にあたっては、最初に卓越したデザインがあります。しかし、そのデザインは美しさ・機能だけではなく、それを実行レベルまで推し進めていく豊富な現場感覚が内包されていなくてはいけません。そして金型屋さん、鋳造職人さんがそれを受け継ぎ、高い技術をして、鉄瓶は完成されていきます。デザイナー、職人さんの共同作業の賜です。 |
もうひとつこの鉄瓶で述べておきたいことは、蓋です。蓋は本体にのせる形式が一般的ですが、この鉄瓶は中に蓋が収まる仕様です。その蓋ですが、蓋がまず水平に、本体と一体感を持っています。そして真上から見ても、蓋の周囲と蓋の輪郭、肌合いとも違和感なく自然に収まっています。ここにもあえて高度な様式へ、新たな鉄瓶への挑戦の姿があります。 尚、この鉄瓶の表面は伝統的「漆焼き付け」。内部は※釜焼き(酸化皮膜をつける伝統技法)となっています。 四角形状にほどよい丸みを加えた斬新なデザイン。そして、伝統技法との融合。この鉄瓶も紛れもなく南部鉄器の新しい方向性を示しているように思います。 |
※釜焼き・・・明治の盛岡の大火の時に、焼けた蔵から出てきた鉄瓶に、いつまでも金気が出なかったため、さび止め技法として取り入れられた。 鋳型から取り出した鉄瓶の表面をきれいにして、本体及び蓋を炭火で800~1000℃程度の温度で真っ赤になるまで焼きます。それにより表面に酸化皮膜が付きます。この作業を「釜焼き(金気止め)」といいます。この皮膜は鉄瓶の中と外にできます。外は、はがしますが中はそのまま保ちます。(防錆の役目を担います)堀江 皓著 「南部鉄器」 理工学社発行 参照 |
本体の中に収まった蓋 | 内部は伝統的釜焼き。 |
小鉄瓶 石庭 0.8L 満水容量:0.8L サイズ:W15.5×D12.5×H17.5cm 材質:鋳鉄 表面仕上げ:漆焼付 内面仕上げ:釜焼き 重量:1.4kg |
鉄瓶 胡桃 |
壱鋳堂の鉄瓶・・・胡桃 蓋と本体が一体となって、球形を成しています。蓋は本体となめらかに繋がっています。これはかなり難しい技術を要します。蓋の縁を薄く作らねばならないからです。他のメーカーでは、ほとんど見られない技です。 鉄瓶の表面には縦と横に線が走っています。線が区分する区域には、交互に細目と粗目の鉄肌を配置して、アクセント加えています。 モダンな鉄瓶ですが、手鞠を思い出す、どこかなつかしいクラシカルな感じがする鉄瓶でもあります。 |
鉄瓶 胡桃 満水容量:0.8L サイズ:W16×D13×H18.5cm 材質:鋳鉄 表面仕上げ:漆焼付 内面仕上げ:釜焼き 重量:1.4kg |