炎の中から誕生する個性豊かな作品

ガラスを成型する方法に伝統技術としてバーナーワークという加工方法があります。これはガラス素材をバーナーの炎で溶かしながらいろいろな形を作っていく方法です。
元の形はガラスチューブ(管)やロッド(棒)や成型品です。耐熱ガラスの中でおなじみのものは、ビーカーやフラスコに代表される理化学の実験道具などが代表的なものです。電子レンジやオーブンなどの加熱調理機器などの普及で耐熱ガラスは家庭用品の中でも大変便利で使い易い食器として用いられています。
昔は職人さんに弟子入りして1人前になるにはかなりの時間と技の習得が必要でした。
耐熱ガラスは基本的に透明です。従って作品はデザインと機能性、プラス少しの加飾程度で、吹きガラス工房のような色による表現性はほとんどありませんし、薄く均一にした厚みになるようにしますので重量感も出せません。
シンプルさと繊細さをいかに上手に表現するかが作家の一番苦労するところです。
薄く均一にした厚みということはバーナーの火で加熱したときに直ぐ温まって直ぐ冷めると言うことで、作業はその一瞬をとらえてやり終えなければいけません。ガラス窯で溶かし成型する吹き工房とは大きな違いです。

近年、窯で溶かしたガラスを膨らませながら成型しているガラス工房も各地で見られるようになりましたが、耐熱ガラスはこのような窯では溶かすことが難しいので実際はやられる方がおりません。
ガラスは壊れやすいもの、だからこそその輝きや形や繊細さに魅せられて虜になってしまうものです。かといって飾っておくだけではもちろんないと思います。どうしたら皆さんに喜んで使っていただけるかと何時も思い悩んでいます。

Craft・U 手づくり硝子工房 徳間保則


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