幕内 秀夫著 「粗食」は生きること 講談社
最近新聞などで、現在の食生活、及び現在の栄養学に対するアンチテーゼとしての
「粗食」に関する記事を読みました。そのことに興味があったので早速、本屋へ行き粗
食に関する上記の本を買って,いっきに読みました。大変感銘を受けると同時に、正直
納得できない箇所もかなりありました。すこしノスタルジックな感が否めないのと,客観的
データがない点ですが、それは逆に私が現在の栄養学の虜になっているからかもしれません。
欧米的なものを否定するのでなく,日本的なものを見直しもう少し食生活のバランスを
見直してみては,と勝手に自分自身「まとめて」しまった次第です。
皆さんも是非読んでみてください。
ここに失礼して一部を抜粋させていただきます。
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「粗食」というと、粗末な食事、貧しい食事というイメージを持つ方がいます。
中には、「節約」と同じ次元で受けとめている、とんでもない方もいます。
けれども、そのどれもが違うのです。私がいうところの「粗食」とは、つまり
「日本人の当たり前の食生活」のことです。「当たり前」とは、日本の豊かな自然の中
で、長年にわたって育まれた伝統的な食事、食生活のことです。
「体位」という言葉は、単に体格の程度を指すだけでなく、健康の程度のことも含みます。
最近の子供たちは、その親の世代に比べてみても、確かに「体格」はよくなったかもしれません。
しかし、肝心の健康面はどうでしょうか。持久力のないひ弱な子どもが増えていますし、アトピー性
皮膚炎、花粉症など、私が子どもの頃には聞いたこともなかった病気にかかる子どもがあとを絶ちません。
「長寿」にしてもそうです。日本は確かに世界一の長寿国です。でも、現在、いきいきと健康に暮らしている
お年よりたちは、明治生まれの方々です。日本伝統色をしっかり食べてきた方々だからこそ長生き
しているのです。
1995年に起きた阪神・淡路大震災のことを読者のみなさんもよく覚えておられることと思います。
あのとき、災害によって避難された方々は、パンや乾パンの配給を喜ばれたでしょうか。まずは命をつなぐ
水、そして、おにぎりと味噌汁の炊き出しがいちばん喜ばれていたのではないでしょうか。極限状態の中で
いちばん喜ばれたもの、それは自ずから私たちにとって何がいちばん大切なのかを示したといってもけっして
いいすぎではないと思います。
3食ともごはんをしっかり食べてさえいれば、まずは6割はOKなのです。これで土台はできました。
あとの3割が副食、1割が間食です。主食が間違っているときに比べれば、食生活の改善はぐっと身近な
ものになります。
「カロリーをとりすぎないために、ごはんを残しなさい。栄養が偏らないように、おかずをしっかり食べなさい」
という常識の間違いに気づいて、今日からはまずはごはんをしっかり食べることから始める。これが、
私のいうところの「粗食」の大切な基本です。
発酵食品を食べる
日本には、味噌、しょうゆ、漬物、納豆などの伝統ある発酵食品がたくさんあります。発酵食品には有用な
微生物が存在し、これを体内にとり入れることで、私たちの体は活性化します。
日本人が、こうした発酵食品を味噌汁や漬物などの副食として、主食のごはんと組み合わせて食べて
きたのは、大いなる知恵といえます。日本伝来の発酵食品の価値はぜひ見直したいものです。
************************ 以上ほんの一部を抜粋しました。とてもこれでは内容を表現できません。
関心を持たれた方は、是非お読み下さい。
(T、N)