ミニな人気 ふつふつ沸騰

2001年 10月11日 朝日新聞 (夕刊) マリオンより
.....16センチ以下の小さいなべは、従来牛乳を温めるミルクパンがあった程度。買い手側もなべに関しては「大は小を兼ねる」という心理が働き、同じ買うなら大きめの鍋を選ぶ傾向があった。メーカーにとって、大きいなべも小さいなべも製造コストはあまり変わらない。しかし、価格はサイズに合わせて安くしなければならないため効率が悪く、小さいなべに取り組むメーカーがそもそも少なかった。
 だが、ここ数年、事情が変わった。.....2、3年ぐらい前から、「ふたの付いたミルクパンをください」というお客さんが多いことに気づくようになった。話を聞いているうちに、牛乳を温めるのでなく、みそ汁を少しだけ作ったり、温めなおしたりする、普通のなべとして使う人が多いと分かった。
 .....「子供が家を出て、夫婦2人になったから、大きななべはもういらない」という中高年者の声もよく聞くようになった。家族が減った、あるいは、家族の食事時間がばらばらなどの、家族の変化を背景に、少量の料理を作ったり温めたりするには、サイズの小さいなべの方が便利と、消費者自身が気づきだしたようだという。
 .....中高年層だけでなく、新婚家庭のにも好評だし、赤ちゃんの離乳食作りのなべとしての需要が高いこともわかってきた。.....購入者の多くは中高年層と独り住まいと思われる人たちで.....
 なべはサイズが小さいほど、材料やスープを入れた際、より軽く、扱いやすく感じられる。作り過ぎが防げ、材料、燃料費、時間が少なくてすむ。ただし、底の面積が小さくなるため、ガスの場合は、なべの底から炎がはみださないよう火を絞り、取っ手などの過熱に注意することが必要だという。

                                       
▲フィスラー・スナッキーセット
▲ミニ鍋展示 ジオ・プロダクト